インフルエンザ

インフルエンザ

インフルエンザ は、インフルエンザウイルスによる急性の呼吸器感染症で、毎年11月から2月にかけて流行がみられます。インフルエンザウイルスはウイルス表面の構造(抗原)が変化しやすく、1年~数年ごとに流行株が変わるのが特徴です。おもな感染経路は咳やくしゃみに曝露したことによる「飛沫感染」ですが、飛沫の付着物に触れた手指を介した「接触感染」も起こります。ウイルスは咽頭や気管支の細胞に侵入し、細胞内で増殖した後に遊離して次々と周りの細胞へと感染を繰り返していきます。

【症状】

1~3日間の潜伏期間の後に突然の高熱(38℃以上)で始まり、頭痛、咽頭痛、関節痛、筋肉痛などの症状が続きます。咳や鼻汁も伴います。こどもでは嘔吐や下痢などの消化器症状がみられることがあります。一般的には3~7日間で熱は下がりますが、だるさや咳は1~2週間ほど続きます。気管支炎や本格的な肺炎を併発した場合は、熱が下がらず、強い咳や息がしづらいなどの呼吸器症状が強くなります。

乳幼児では、高熱からけいれんを起こすことがあります(熱性けいれん)。稀に、けいれんが長時間持続したり、意識障害を起こして重篤な状態に陥ることがありますので(インフルエンザ脳症)、熱が高い間はこれらの症状に注意して様子を見てあげる必要があります。

年長児や学童で異常行動がみられることがあります。突然走り出す、窓から飛び降りようとする、変なことを言い出し泣きだす、突然笑い出すなどの症状です。これらの症状の原因は分かっていませんが、薬の影響ではなく、インフルエンザの病気そのものによる症状であると考えられています。

【治療】

基本は対処療法で、適切な水分補給と加湿、安静にして症状がおさまるのを待ちます。抗インフルエンザ薬は熱を1~2日早く下げ、重症化の予防に有効です。内服と吸入の2種類がありますが、効果は同じと言われています。どちらも、熱が出始めてから48時間以内に使い始める必要があります。熱が高ければ頭部や脇の下、鼡径部に氷枕などをあてて体温を下げる工夫をします。それでも熱が高くてつらい場合には解熱剤を使用します。一部の解熱剤はインフルエンザ脳症を発症・増悪させる要因となるので、必ず小児科専門医院で処方を受けてください。

【登校・登園】

インフルエンザウイルスは第2種伝染病として出席停止期間が定められています。「発症した後5日、かつ解熱した後2日(幼児では3日)を経過するまで」、登園・登校はできません。解熱を確認した日をゼロとして、翌日を1日目として数えます。

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