うちの子は便秘?
「便秘」のとらえ方は人によって様々ですが、一般的には便の回数や量が少なかったり、便を出すのに強い努力や苦痛を伴う状態を「便秘」と言います。
国際的な基準では、(RomeⅣ)
「排便が週に2回以下」
「痛みを伴う硬い便通が週に1回以上ある」
状態を便秘症と判断します。国内の調査では小学生の5.7〜18.5%が当て嵌まったと報告されています。
調査の仕方によって割合は変わるようですが、こどもの10人に1人が便秘だとしても違和感は無いのではないでしょうか。
幼児の便秘の40%以上は学童になっても続き、学童の便秘の25%は成人になっても便秘が続くと言われています。
便秘が起きやすい時期
- 母乳からミルクに変えたとき
- 離乳食を開始する生後6ヶ月以降
- トイレトレーニングをする3〜4歳
- 小学校入学前後
なぜ便秘の治療をするの?
便が溜まっているとお腹が張って食欲が無くなったり、お腹が痛くなったりします。
実際、腹痛で病院を救急受診するこどもの多くは便秘が原因です。
便秘が長期間続くと、排便のたびに苦痛を感じるのでトイレに行きたがらなくなり、我慢して便を溜め込む習慣がついて、さらに便秘が悪化するという悪循環に陥ります。
学童では便秘が不登校やいじめの原因になることもあります。
たかが便秘と思わずに、お医者さんで相談をすることが大切です。
便秘治療を受けるめやす
- 排便回数が少ない(週に2回以下)
- 排便時に肛門を痛がる、出血する
- 便秘の期間が長い
- 排便が自立した後であるのに便失禁や便漏れがみられる
- 便意がある時に足を交差させるなど我慢姿勢を取る
当院の便秘治療
「便を軟かくする薬」と「腸を刺激して便を出しやすくする薬」を組み合わせて治療を行います。便通が順調になれば、「便を軟かくする薬」だけを続けます。
- 便を軟かくする (浸透圧性下剤)
- 腸管を動かす (刺激性下剤)
- 直腸まで下りてきた便を排出させる (浣腸など)
- 腸の機能を改善させる (漢方薬、整腸剤)
食事指導・生活指導
哺乳や食事の内容について見直しも大切ですので、必要な方は管理栄養士による食事指導を行なっています。(要予約)
食物繊維を多く含む海藻類・豆類・きのこ類・穀類や、ソルビトールを多く含むプルーン・りんご・モモなどの摂取がお勧めです。
幼児期以降ではトイレ習慣の確立が重要ですので、絵本やカレンダーを使ってトイレが楽しくなるように、お手伝いしています。
トイレ習慣の確立に大事なこと
- 排便しやすい姿勢を作るために足台などを用意すること
- 決まった時間に(朝食後が最適)毎日必ずトイレに座ること
- 排便ができたら褒めてあげること
- 食事や生活習慣に気をつけること
便秘治療のゴールは痛みを伴わずに定期的に便が出せることです。
数ヶ月単位で通院する必要がありますが、一緒に頑張りましょう。
港南台こどもクリニックでは、こどもの便秘治療に専門的に取り組んでいます。
どうぞご相談ください。