新型コロナウイルス変異株の流行が拡大しています。

2019年12月から世界中に拡大した新型コロナウイルス(従来株・中国型)については、「子どもでは感染は珍しく、軽症で治療を必要とせず、他人にもうつす事は少ない」ことが分かっています。これまで国内で約3万人の小児が従来株の新型コロナウイルスに感染しましたが、亡くなられた方の報告はありません。
当院でも約60名の発熱患者さんにPCR検査や抗原検査を行いましたが、陽性者は0名!でした。
しかし、2021年5月現在、従来株に比べ1.7倍の感染力、1.5倍の死亡リスクを持つとされる変異株のコロナウイルス(英国型 N501Y変異)が日本国内でも6割〜9割を占めるようになりました。割合は多くありませんが、ブラジル型や南アフリカ型、インド型など、その他の変異株についても注意が必要です。
欧州のデータによると、変異株では入院リスクが20代〜30代で3倍、40〜50代で2倍に高くなっていました。
国内でも英国型が急速に拡大した今春以降、20歳〜50歳代の重症者が全体の3割を占めているようです。

変異株により、子どものコロナウイルス感染が増えるかもしれません。
しかし、今までと同様、ほとんど重症になりません。

これらの変異株が子どもに感染したり重症化する可能性はあるのでしょうか? 
日本よりも先に変異株が流行しているイギリスやアメリカの状況が参考になります。
イギリスでは0歳から14歳の子どものコロナウイルス感染での入院率は人口10万人あたり0.5〜1.0人前後で、変異株の流行前後で変わりはありません。
死亡した子どものほとんどは持病を持つお子さんで、1年間に10数名ですが変異株が流行してから急に増えてはいません。
アメリカでは子どもの感染者は全体の22.4%とかなり多いですが、入院率は0.8%、死亡率は0.01%と報告されており、むしろコロナウイルス流行初期より低くなっています。(図表は文末に転載)
現在、イギリス王立小児科小児保健学会RCPCH、アメリカ小児科学会AAPはともに、①子どものコロナウイルス感染は大人より軽症であること、②子どもでは変異株であっても、特に感染しやすくなったり重症化したりはしないと述べています。
「これからは子どもでもコロナウイルス感染が増える可能性があっても、重症化したり死亡することは稀である」と考えて良いでしょう。

根拠のない不安や過剰な感染対策によって、子どもたちの発達や学びを妨げられることがないように願います。

国内流行第4波に際して、感染の恐怖を煽るような報道やネットの情報を見かけます。
これらは話題性のある事例だけを取り上げたり、話を単純化しがちな傾向があるため、私たちが冷静に判断する余裕を奪われがちです。
子どもたちは触れることで世界を体感し、身体を動かすことで自我を確立し、他者と密接に関わることで社会性を獲得していきます。
子供同士での接触や飛沫も当然のように発生します。
社会全体の感染対策には従うべきですが、過剰なリスク回避に流されず、厳格すぎる欠席基準や子どもたちの学びや遊びを制限してしまう感染対策が必要なのか、冷静に考えたいと思います。

大人は重症化するリスクが高いため、感染対策を徹底してください。
お子さんのコロナウイルス検査は当院で行うことができます。

今後は20〜40歳代の若い方々でも感染したり重症化したりする方が増えることが予想されます。
保護者、保育士や教員の皆様が感染しないように注意してください。

新型コロナウイルスは大人から大人、大人から子どもに感染させるケースが圧倒的に多いのですが、変異株では子どもから大人に感染しやすくなるのか、まだ結論が出ていません。
お子さんに発熱や咳や鼻水があるようなら、保護者は自宅でもマスクを着用し、手指や環境の消毒を励行するのは有効です。
症状のある間、ご高齢の方とは離れて過ごしてもらうことは重要でしょう。
すでに徹底されておられますが、保育士や教員の方々は職場では常にマスクや消毒を行い、体調不良を感じた際は早めに検査を受けましょう。
お子さんが発熱した時や、咳や鼻水が長引くときはコロナウイルスの検査について当院にご相談してください。
早めに検査を行うことで家庭内や園・学校での感染を防げるかもしれません。

子どもたちと、子どもに関わる全ての方が少しでも安心できるように微力ながらお手伝いさせていただきます。


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